医者と患者と病院と…
はるばる、車で約10時間かけてやって来た患者さんがいました。
家族で来られたのですが、
病名はガン
治療方法があまりなく、この一ヶ月…ずっと病院を探し…
その間にも病気は進行してしまい…
医者側とか病院側の都合でうちの病院でもそう簡単には引き受けるわけにもいかず…
でも、この場合は緊急性があると思われるし、はるばる来てくれたのに…また３日後に外来で来てください…と医者は言うしかないのです。
残酷すぎる。
その場に居合わせた学生の僕はもちろん…
無力
漫画とかドラマだったら、主人公がなんとかしてしまうのだろうけど…
ご家族の方の必死な表情が…こころに訴えてきました。
僕は、酷い顔をしていたと思います。
下を向いて、怒りとか色々なものを抑えるのが大変で…
そして、患者さんとそのご家族の苦労を考えると、涙が出そうになって…
その患者さんは、なんとか、上の先生がなんとかしてくれ、うちの病院で引き受けることが決まったのですが…
その時感じた気持ちは、一生忘れないと思います。
いや、忘れてはならないものだと思う。
システムとかの色々な問題があるけれど、目の前にいる患者を救うこと…
これが医者という職業の基本であり、最も大切なことだと思う。
重症患者から逃げない…
僕の尊敬する先生方のセリフです。
僕もそう言えるぐらいの技術をもった医者になりたい。
毎日、頑張ります。
